クレオパトラ Cleopatra
[ガイド]
エジプトに侵略したローマ帝国の将軍シーザー(レックス・ハリソン)は、クレオパトラ(エリザベス・テイラー)の美しさと知性の虜になってしまい、クレオパトラを女王に即位させる…。
監督は「三人の妻への手紙」と「イヴの総て」でアカデミー監督賞と脚本賞を2回ずつ受賞したジョセフ・L・マンキウィッツ。撮影は「王様と私」「南太平洋」のレオン・シャムロイ。音楽は「欲望という名の電車」「スパルタカス」のアレックス・ノースが担当
総製作費は当時で4000万ドル、製作日数4年7ヶ月、総登場人員223,000人映画製作史上空前のスペクタル大作。東京の封切劇場、有楽座では、1日2回興行、全階指定入替制で公開された。
水野晴郎/「暗闇」の独裁者たち-映画製作者の内幕 文芸春秋懐かしのロマン世界の映画より
20世紀フォックスは、ソフィア・ローレン、ジェーン・コリンズ、ジーナ・ロロブリジダ、オードリー・ヘップバーン、と変転したあと、出演料100万ドルプラス歩合でエリザベス・テイラーを主役に決めた。撮影を開始するためにリズはロンドンへ向った。だが撮影は一向にはかどらなかった。リズが連れて行ったハリウッドの美容師に対し、ロンドンの美容師組合が怒り、ストライキをはじめ、おまけにロンドンの霧はリズの体をむしばんだ。彼女は生死の境をさまよい、女王陛下がお見舞いに携帯用便器、つまりオマルをおくった。監督も共演スターも期限が切れ、わずか12分ぶんを撮っただけで解散してしまった。
一年後、監督も共演者もかえ、ローマで撮影再開。再びリズが大病で倒れ、スタジオのトラブルが続き、回復したリズはあのリチャード・バートンとの世紀のスキャンダルにおちていった。
やがて20世紀フォックスはこの「クレオパトラ」の難航でつぶれかかり、のりこんで来た新社長ダリル・F・ザナックが、あらん限りの精力で完成。
Cast
Elizabeth Taylor:Cleopatra
Richard Burton:Mark Antony
Rex Harrison:Julius Caesar